本年むすび会では神社にとって必要不可欠な麻の工房の視察研修会を実施する運びとなり、鹿沼市の野州麻紙工房 様にご協力頂きまして開催致しました。
今回は7名で参加をし、麻の栽培から加工までの工程を見学させて頂きました。
普段我々神職は麻を様々な所で使用しており、見慣れたものでありながらもどのような工程で出来上がるのかまでは知る機会、また実際の現場で見ることも無く、今回ご協力頂きました野州麻紙工房様のおかげを持ちましてしっかりと勉強することができ、改めて厚く御礼申し上げます。
麻にも色々な種類があり、麻紐はもちろんですが我々の私生活に身近な七味唐辛子の中にも麻の実が入っているとの事でした。
野州麻紙工房様では約30年近く色々な試行錯誤を繰り返して出来た「トチギシロ」という品種の麻を栽培、加工をしており、その全ての工程が手作業で行われておりました。
収穫の時期になると朝の4時から始まるとの事で、我々神職も朝の奉仕は早いですがさらに早い時間から始まることにも驚きました。
海外の麻は機械も用いるのが主流で、国産との仕上がりの際の色の違いなども細かく教えて頂きました。
他にも海外では壁の素材としても用いられており、パリオリンピックの選手村でも施行されておりました。
野州麻紙工房様のこの壁を試験的に用いた一室があり、そちらのお部屋では見学と麻になるまでの一年間の工程をスライドショーでご紹介頂きました。
日本では花火や松明、雪洞などの照明の張り紙部分、そして装束といったものにも使われており、削り取れた部分は紙へと再生しているとの事でした。
麻農家の方は全国的に見ても数える程しかおらず、後退させず尚且つこの近年の異常気象に合わせての品種改良などを進めたり様々な苦労をされているとの事でした。
そんな中、野州麻紙工房様では20代30代の若手の方が作業をしており、またここで勉強をして他県へ巣立っていく方もいらっしゃるとの事でした。
この研修で麻ができるまでの大変さが特に印象に残りましたが、現代に合わせた形で色々な所に使われているという発見もでき、麻に対する見方も変わりました。
半日ではありましたが、とても有意義な研修となりました。
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文章、写真:研修委員会 副委員長 小幡