八月十一日、男体山登拝研修会が開催されました。コロナ禍における参集しての研修が儘ならぬ中、感染症対策に万全を期して執り行われ、会員十四名と日光二荒山神社権禰宜福田有宏様、合わせて十五名が参加しました。本年はオリンピックの影響で山の日が八月八日に変更されましたが、本来は八月十一日が山の日です。
研修会当日は、午前六時四十五分に日光二荒山神社中宮祠社殿前にて開講式を行い、霊峰入山にあたり日光二荒山神社町井権禰宜様によるお祓いを受け、心身を清めていただきました。開講式の時点で、既に五十名以上が入山しているとのお話を伺い、これほどまでに沢山の方が奥宮を目指す意味とは何か、この研修でより一層自らを研磨しようと会員それぞれが志をもって登拝を開始しました。
台風の影響が心配されていた天候は見事な快晴となり、むすび会第二十三代会長である福田有宏様の引率のもと、安全に配慮しながら歩を進めました。登山道は、緩やかな道もあれば岩場に手をかけて登る急峻な道もあり、滑りやすい勾配に足元をとられる場面もありました。
午前十一時、男体山山頂に到着しました。山頂の冷んやりとした風は心地よく、必死に登ってきた汗も引き、肌寒ささえ感じました。天に向かってそびえ立つ御神剣と、山頂に鎮座する御神像前からの眺めは、まさに絶景でした。御神山男体山の神々しさを肌で感じ、千二百年を越える昔から登拝祭が守り継がれ、年間数万人もの登拝者がいることの意味を実感しました。奥宮で無事に登頂できた感謝を込めて参拝し、コロナの早期終息を願って大祓詞を全員で奏上いたしました。
山頂では男体山登拝歴七百回を超えるという鈴木栄次様と出会い、男体山の歴史や下山時のコツなどのお話を伺いながら山を下りました。この経験も大変貴重な研修の一環となりました。
登山道の滑りやすい斜面には木杭で打たれた無数の土嚢が置かれていたり、勾配のある場所では土留めに加えて木片と土を固めた階段が誂えていたりしました。そのおかげで、登りで酷使した足が救われました。また、道中にはゴミなどがひとつも見当たらず、これも男体山がいかに人々から愛され親しまれている山であり、崇敬されている霊峰であるのかを表しているのだと感じました。
休憩の折々には会員同士の会話もはずみ、お互いに親睦を図りながら怪我もなく全員が無事に登拝研修を修めることができました。大変有意義な研修となりました。
文責:林靖大
写真:研修・広報委員会
編輯:星野宇洲