栃木県青年神職むすび会は創立五十五周年を迎えました。
記念事業といたしましてサイパン島戦没者慰霊祭を斎行致しました。。
北マリアナ諸島サイパン島北部、この地の戦の末期に日本兵・在留邦人が身を投げたスーサイドクリフと呼ばれる崖のあるマッピ山の麓であり、かつ最後のサイパン島日本軍司令部が置かれていたラストコマンドポストの隣に中部太平洋戦没者の碑は建てられています。この碑は中部太平洋の諸島及び海域で戦没された約十一万三百名の慰霊のために昭和四十九年に日本政府によって建てられ、平成十七年には天皇皇后両陛下が行幸啓あそばされました。此処で浄衣に身を包み、下妻斎主による祭詞奏上を始め、祭文奏上、浦安の舞奉納と、慰霊祭は厳かに執り行われ、御霊の永遠に安らかなることを、お祈り申し上げました。
慰霊祭の後には彩帆香取神社の参拝をはじめ、様々な戦跡や歴史的施設などの見学に向かいました。日本人自決の場所であるスーサイドクリフ・バンザイクリフには様々な団体により慰霊碑が建てられ、現在でも定期的に慰霊事業が行われているとのことでした。山の岩肌には艦砲射撃の痕が見られ、被弾した施設や兵器などが七十年余り経った今でも保存されており、当時の日本人の技術力の高さや戦闘の激しさ、惨状が伺えました。
サイパンにて慰霊祭を斎行でき、現状を直に目で見て肌で感じられたことは何にも代えがたい貴重な経験となりました。この旅で学んだことを今後に生かし、また遍く伝えていくことが我々の使命かと存じます。結びに今回の慰霊の旅を支えてくださったすべての方に心より感謝申し上げます。