8月19日、『神職が取り組む憲法改正運動』と題した研修委員会主催の講演会が、
栃木県神社庁に於いて開催されました。
憲法改正の議論が盛んになってきている今だからこそ、
憲法研究家である田尾憲男先生を講師にお迎えして、
約2時間に及ぶ貴重な講演を拝聴いたしました。
現在の日本国憲法には大きな問題点が3つあります。
①天皇制の問題 ②国軍の問題 ③神道と政教分離の問題です。
さらに、そもそも日本国憲法に欠けている事項があります。
例えば、緊急非常事態条項や家族保護条項、環境保全条項などです。
その原因は、日本国憲法がGHQのマッカーサーノートに基づき、急ピッチで作られた欠陥憲法であることと、日本が米国に二度と戦火を交えることがなきよう、徹底した弱体化政策を反映したものであるからです。
日本には、世界で最も古い憲法である『憲法十七条』を始め、明治の近代化に伴って自主的に創り上げた優れた憲法である、大日本帝国憲法があります。
元首たる天皇の主権が明文化され、国の非常時には天皇が勅令や命令を発して、国と人民、主権の及ぶ領土領海を守ることができたのです。
日本人が日本人の手で作り上げた憲法こそ、日本の憲法として本来あるべき姿だと思います。
そして今年、衆参議院で与党が三分の二の議席を確保した今、世界で最も改正困難な憲法を持つ日本は、ようやく憲法改正への好機を得られたのです。
昭和45年11月25日、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地にて割腹自殺を遂げた三島由紀夫の言葉は今、
吾々にどう響くでしょうか。
昭和44年10月21日の国際反戦デー闘争時に自衛隊の治安出動が行われず、
自民党は強大な警察力のみで鎮圧しました。
現在、尖閣に中国の海警と民兵の船が200隻も300隻もやってきているのに、
海上保安庁の巡視船のみでの対処に任せ、海上警備行動に移さない状況は、
昭和44年の状況がそのまま反映されているように思えてなりません。
三島が当時味わった深い失望を、吾々までが味わってはならないのです。
田尾憲男先生
栁田むすび会会長挨拶
『・・・ 去年の10.21から1年間、俺は自衛隊が怒るのを待ってた。
もうこれで憲法改正のチャンスはない。
自衛隊が国軍になる日はない。
建軍の本義はない。
それを私は最も嘆いていたんだ。
自衛隊にとって建軍の本義とはなんだ。
日本を守ること。
日本を守るとはなんだ。
日本を守るとは、天皇を中心とする歴史と文化の 伝統を守ることである。・・・』
(三島由紀夫 陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地での演説より)
文責:広報委員長 根本
写真:広報委員 齊藤